

こんにちは!さっぱどです。
今回はタイトルに惹かれて購入。
「フィンランド人はなぜ午後四時に仕事が終わるのか」
堀内 都喜子を紹介します。
まずは、著者の紹介。
著者紹介 堀内 都喜子
(ほりうち・ときこ)
長野県生まれ。
フィンランド・ユヴァスキュラ大学院で修士号を取得。
フィンランド系企業を経て、
現在はフィンランド大使館で広報の仕事に携わる。
著書に「フィンランド 豊かさのメソッド」がある。
本書より

その他にも表紙に、
- 有休消化100%
- 1人あたりのGDP日本の1.25倍
- 在宅勤務3割

と、魅力的な見出し。
そんなしっかり休んで効率良く働く、
フィンランド人の生き方を紹介します。
レビュー1:フィンランドはなぜ幸福度1位なのか

2018年、2019年と2年連続で幸福度1位に選ばれたフィンランド。
その理由を、行政面から見た三点はこちら。
- 政治的、経済的に国が安定。
- 教育や、福祉サービスの機会が平等。
- 最低限の生活は保障。

それ以外の生活面から見た、
印象深かったものの中から五つ、紹介します。
2年連続で幸福度1位の理由

では、1位の理由を知りたがる日本のメディアに、
インタビューでフィンランド人の同僚はどう答えたか。
彼が挙げたのは「身近な自然」
日本のメディアの人たちは、この答えに少し戸惑ったようである。
ポカンという表情をしていた。
確かにちょっと理解しにくいかもしれない。
でも住んだことのある人には、この理由も納得できるものである。
P.20

確かに日本は、身近に自然を感じにくい。
自然と共に生きる選択が、
心の豊かさにつながっている。
近くの自然が、幸せをくれるんだなと思う。
逆に弱点はどこかという点で、検索。
デメリット四点:日が沈まない、昇らない国、フィンランド

- 夏は6月ー8月が白夜で、日が沈まない。
- 冬は12月~2月で、今度は逆に日が昇らない。
- 北極圏で寒さが厳しい。(気温は15度、年間平均気温20度未満)
- 物価が高い。(標準消費税が23%、食料品の消費税が13%)

寒いのが苦手な人は、厳しめ。
ランチは、1000円~2000円くらいと、御高い。
ビュッフェスタイル
(立食スタイルでセルフ形式の食事)で、何処もほぼ同じ)
ご飯が恋しくなりそうです。 🍚
レビュー2:フィンランド人の上手な休み方
土曜日はサウナの日


「サウナ」は、海外で最も普及しているフィンランド語。
550万の人口に対し、
サウナの数は200~300万。
生活の一部というか、体の一部である。
フィンランド人は、普段はシャワーで、
週に1、2回サウナを楽しむ。
その他にも変わった点を3点。
- 無人島や刑務所、バスや観覧車までサウナがついている。
- 昔、出産や遺体を清めたりする場所に、サウナが使われていた。
- サウナは、接待やおもてなしの場。
サウナには不思議なマジックがある。そこでは誰もがが洋服だけではなく、
地位も肩書も全てを脱ぎ去り、大統領だろうが一般人だろうが
高齢でも子供でも、皆が一個人として存在する。
つまりとても平等な場所で、その空間を一緒に楽しめるのだ。
P.135

サウナはフィンランド人にとって、
神聖な場所であることが伝わってきます。
裸のマジックが、効いてますね。
ベリー摘み、キノコ採り、猟も楽しむ

フィンランドには自然享受権という慣習法がある。
これは、土地の所有者に損害を与えない限り、
誰もが他人の土地への立ち入りや自然の恵みを受けることを
認めるものである。
フィンランドの多くの人は、
市場やスーパーで買えるのにわざわざ、キノコ採りやベリー摘みに行く。
身近な森や小道には季節によって
野イチゴ、ブルーベリー、ラズベリー、リンゴベリーなど、
天然のベリーが溢れている。
秋になれば、雨の後ににょきにょきときのこが生える。
P.120

顔と顔とのつきあいが日常的にあって、牧歌的なな関係。
日本だと規制が厳しすぎて、まずありえない。
フィンランド人のマナーの良さが、自然の触れ合いを生み出してます。
羨ましい限り。
レビュー3:コーヒー休憩は法律で決まっている

ある日、フィンランドの友人と仕事の話をしていた時、
効率アップのカギとして真っ先に挙げたのがコーヒー休憩だった。
「職場でのコーヒー休憩は本当に大切だと思うの。
なんてったって法律でも決められているくらいでしょ。
脳にも時に休みが必要。いい息抜きになって、
休憩の後は仕事に精力的に向き合える」と話していた。
P.60-61

法律にするくらい大事にしている、
コーヒー休憩。
一人当たりの消費量は、世界トップクラス。
一日に何杯も楽しめる工夫がこちら。
- 勤務時間内に、10分~15分のコーヒー休憩が2回。
- リビングルームのような、くつろげるコーヒールーム。
- ケーキやサンドイッチ、お菓子も楽しめる。

その反面お昼は30分ほどで、
コーヒータイムほど重視しない。
(軽めに食べて、午後の仕事の効率を落とさない工夫)
(コーヒータイムの時に、軽くパンなどと一緒に食べる)
休憩に限らず、仲間、家族を大切にする考えは、日本も見習うべき。
レビュー4:世界のトレンドはフィンランドの「シス」!?

シスは、フィンランド語で、困難に耐えうる力、
努力して諦めずにやり遂げる力、不屈の精神、ガッツといった意味合いがある。
P.160
フィンランドの貪欲な学び方
フィンランドに住む50代のある女性の話し。
子育てしながら大学でプログラミングの勉強をしながら、ソフトウェア会社に転職。
更に45歳を過ぎてから勉強に励み、
修士課程と教員課程を取得。

ある50代の女性は「私は今までいろんなことをシスでやり遂げてきた」と語った。
~中略~
「勉強してどうなるの?」と聞くと、「引き出しは多く持っていたいから」と答えが返ってきた。
彼女は「引き出しを多く持つ」という言葉が大好きだ。
もともと新しいことを学ぶことも好きだったようだが、
常に人生の選択肢や自分の振り幅を広く持ちたいと感じるようだ。
P.160-161

人間関係もシンプルで心地よく

フィンランド人は人に頼ることが少し苦手で自立した人たちだが、
助けを求められて冷たく突き放す人たちでもない。
~中略~
他にも、だれかが失恋した時、だれかが子育てで悩んでいるとき、
病気がわかった時、どうしても都合が悪くて家族の冠婚葬祭に参加できなかった時、
「それが人生、仕方ないね」とあまりにも本人も周りもあっさりしていて、戸惑う時がある。
~中略~
だがフィンランド人はどちらかというと「そっか」と
余計なことはあまり言わない。
P.186-187

フィンランド人の勤勉な人柄と忍耐力は、日本人と似ている。
しかし大人になっても学ぶ姿勢や自立心は、日本人も共有していきたい。
レビュー5:コップと砂

日本に出張中のフィンランド人から見た、
長時間労働する日本人を見て漏らした言葉が、こちら。
「コップに砂をいっぱいに入れて指を突っ込んでみて、指を抜いたらどうなる?
穴ができるのは一瞬。あっという間に穴が埋まってしまう。
それは組織と同じなんだよ。自分が抜けても、必ず周りがその穴を埋めてくれる。
だから安心して抜けていいんだよ」。
P.216

抜けることに変な恐怖を持っている日本人。
肩の力がちょっと抜けて、楽になります。
”唯一無二ではない自分”を、
休むことから始めたい。

まとめ:心地よい潔さの国、フィンランド

以上5点が、「フィンランド人はなぜ午後四時に帰れるのか」のレビュー。
まとめると、
- 身近な自然
- サウナ
- 職場でのコーヒー休憩(法律で決まっている)
- シス(フィンランド語で、困難に耐えうる力)
- 安心して組織から抜けられる

北欧の厳しい自然の中で、温かい人とのつながりが魅力的です。
「シス」のシンプルな人間関係も、メリハリがついて潔い。
後は何といっても、安心して組織から抜けられるのは、羨ましい。
以上が本書から得た、2年連続で幸福度1位の秘密でした。
それでは、また。